『その扉をたたく音』瀬尾まいこ(著)心を揺さぶる音

日本文学

『あと少し、もう少し』『君が夏を走らせる』を読んで、こちらも登場人物が関連しているとのことで、続けて読みました。2作とも元気のもらえる温かいお話でしたので、こちらも楽しみです。

『その扉をたたく音』
著者: 瀬尾まいこ /出版社:集英社

◎作品紹介(簡単なあらすじ)

主人公の宮司は29歳、夢はミュージシャン、現在は無職。
ギターの弾き語りに訪れた老人ホームで、サックスの神様に出会います。
心の奥底まで浸透していく音、その音を出すのは、ホームで働く介護士の青年渡部。
渡部のサックスを聞くために、口実を作りホームへ通う宮部ですが、自然に入居者たちと打ち解けていきます。
買い物を頼まれたり、ウクレレを教えたり、楽しく過ごしていても、やはり高齢の入居者なので突然病気になったりすることもあります。
自分は何ができるのか、悩む宮路。前進することができるのでしょうか。

◎著者の瀬尾まいこさんについて

1974年大阪府生まれ。
大学を卒業後は中学校の国語の先生をされていたそうです。

2001年『卵の緒』で坊っちゃん文学大賞を受賞しデビュー。
2005年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞を受賞。
2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞を受賞。
2019年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞。

◎感想

主人公の宮路のミュージシャンになりたい思いが、ギターをはじめた高校生の頃から29歳になっても変わらないなんて、そんな夢があるなんて、すごくうらやましく思いました。
音楽が大好きな様子もとてもよかったです。
心の中はモヤモヤしたまま悩みがたくさんあって、何をしたら良いかわからなくて、先が見えない不安な気持ちが強く伝わってきました。
老人ホームで自然にお年寄りの中に入っていける、すごく素直で優しい性格の持ち主で、自分では気付いていない長所がたくさんあるのになー、と思いながら読み進めました。

介護士の渡部は『あと少し、もう少し』にも登場していましたが、今回は成長を感じました。カッコつけたい年頃をこえて、本来の優しい心を活かした仕事をしていてうれしかったです。

そしてやっぱり水木のばあちゃんが最高でした。
年をとっても元気だと思っていても、少しづつ自分の衰えに気付いていくのはとても恐怖なことでしょう。
そんな中、人にやさしくできる水木のばあちゃん。自分もそうありたいと強く思いました。

見守られていることに気づけることが、スタートのようです。

◎まとめ

瀬尾まいこさんが好きな方、『あと少し、もう少し』『君が夏を走らせる』を読んだ方も読んでない方も楽しめる1冊です。

10代以上の全ての年代の方におすすめですが、特に若い世代の方にぜひ読んでいただきたいです。

瀬尾さん作品はまだ読んでいないものが多くあるので、少しずつ読んでいきたいです。
今までに読んだものは全てよかったので、相性がよいかもと勝手に思っています。

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