最近は料理小説に興味があるので、タイトルだけ見ておいしそうなお話かなと思い選びました。
『みかんとひよどり』
著者:近藤史恵 /出版社:KADOKAWA
カドブン夏フェア2022に選ばれています。
◎作品紹介(簡単なあらすじ)
一章ごとに料理名がタイトルになっていて全11章あります。どんな料理なのでしょう。
第一章『夏の猪』
第二章『ヤマシギのロースト』
第三章『若猪のタルト』
・・・・
主人公の潮田亮二はフランス料理店のシェフ。
オリジナルのジビエ料理などメニューにも工夫を凝らしているが客が来ない…向いていないのだろうかと悩んではいるが、あきらめることもできないでいます。
最近はじめた猟では飼い犬のピリカと一緒に遭難してしまうが、そこで猟師の大高に出会い助けてもらいます。
大高とはその後も狩猟を通じて再び出会い、少しづつ打ち解けてゆき、そのまっすぐな生き方を見て、何かを感じ取っていく亮二は、新メニューの発案へ積極的になっていきます。
そんな中、動物愛護団体からの嫌がらせが大高を悩ませます。
◎著者の近藤史恵さんについて
1969年大阪府生まれ。
1993年『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。
2008年『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞を受賞。
ミステリー作家として有名ですが、恋愛小説やスポーツ小説など幅広いジャンルの物語が出版されています。学生時代に歌舞伎の研究をされていたとのことで、歌舞伎を題材とした作品も多数あります。
◎感想

ジビエ料理とは?まず思ったことです。
すぐに調べましたが、なるほどこれを知っていたほうが物語がグンとおもしろくなります。
ジビエ料理とは、狩猟で得た野生鳥獣の食肉を使った料理のことです。
日本では主にシカやイノシシ等が農作物を食べたり、田畑を荒らしたりして、深刻な被害をもたらしています。
そして駆除の依頼がきて、大高は狩猟をすることが仕事です。
ただ、害獣駆除として無駄に殺されていく命を、いかに有効活用するか。完全に生きる場所を切り分けることができず、駆除しなければならないのだとしたら、やはり食べることがいちばんの有効活用になるはずだ。
第十章『熊鍋』より
この精神はいいと思いますが、動物愛護団体などからの反対意見も多くあるようです。
そこで事件が起きてしまうのですが、何かスッキリとしないものを感じました。
シェフの亮二は納得のいくジビエ料理を作りたくて、日々試作を重ねます。材料費もかかりますが、「フードマイレージ」についても考えながら試行錯誤をくりかえしていく姿勢は頼もしく見えました。
(*「フードマイレージ」とは食材を遠くから取り寄せることが、環境に悪影響を与えているということで、輸送費や保管のための冷凍するための費用などのことを表しています。)
納得できない料理を作り続けて、失敗することだけは嫌だ。戦って負けるにしろ、自分が胸を張って美味しいと思える料理で負けたい。
第二章『ヤマシギのロースト』より
こんな気持ちを持って作っている料理、ぜひ食べてみたいです。
料理の試作のシーンでは、頭の中にいろいろなアイデアが浮かんでいて、とても料理が好きなんだと感じました。
近くにジビエ料理を食べられるところがあるか調べてみようと思っています。
◎まとめ
食や料理に興味のある方におすすめの1冊です。
仕事についても考えさせられるお話でした。
20代以上の社会人の皆さんに読んでいただきたいです。
ジャンルの幅が広く、興味ある作品がたくさんある作家さんです。
今まで知らなかったなんて…
まずは『サクリファイスシリーズ』と『〈ビストロ・パ・マル〉シリーズ』が読みたいです。
今回はamazonのKindle Unlimitedで読みました。(2022.11.10現在)


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