ずっと読みたかった本だったので、文庫化されたタイミングで購入しました。しっかりと向き合って読みました。
『エンド・オブ・ライフ』
著者: 佐々涼子 /出版社:集英社
本屋大賞 2020年ノンフィクション本大賞受賞
◎作品紹介(簡単なあらすじ)
自宅での終末医療や治療を望む人のための在宅医療。
それをサポートするのは医師、看護師、理学療法士、ヘルパー、ケアマネージャーなど様々な職種の人々。
その中の一人の訪問看護師森山と作者を中心に話は進む。森山を襲う重い病。
在宅医療をサポートする側からサポートされる側になって、何が変わるのか?家族の闘病を支えながら、他の家族の医療を取材することの意味は?
◎著者の佐々涼子さんについて
1968年生まれ、神奈川県出身。
代表作に『エンジェルフライト 国際霊柩送送還士』『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』『ボーダー 移民と難民』『夜明けを待つ』などがあります。
◎感想
死は誕生した瞬間からいつか迎えるものなのに、どうしても人ごとになってしまいます。
健康なうちは自分がいつか死ぬということが、うまく想像できません。
僕は僕自身であって、『がん患者』という名前の人間ではない。
『エンド・オブ・ライフ』より
大きな病気になったとき何を感じるのか、何が一番良いのかわかりません。
本人もまわりの人たちも何度も苦しい決断を迫られます。
でもどう治療するかだけでなく、どう生きたいかが一番重要なのではと感じました。
終末医療としての在宅医療、良いところも大変なところも包み隠さず書かれていて、病状や生活環境によって、選択肢はいろいろあることがわかりました。その選択をするということが難しいのですが。
生と死の境界線は曖昧で、母の気配はいつまでもなくならない。母の魂はどこかへ渡っていくのではなく、この家に溶けていくようだった。
『エンド・オブ・ライフ』より
大事な人が亡くなった喪失感はずっとあるけれど、そばで応援してくれていると感じます。
不思議なことですか、いなくなったとは思えないのです。
そしてこの本に出てきたたくさんの人たちに勇気をもらいました。
亡くなる人って遺される人に贈り物をしていくんですね。
『エンド・オブ・ライフ』より
この言葉を読んで、その通りだなと思いました。たくさんの贈り物をありがとう。
◎まとめ
「エンド・オブ・ライフケア」という言葉があります。「最期までその人らしく穏やかに生きることを支援する」というような意味だそうです。
今回、佐々涼子さんの本を書くという強い思いに惹かれました。ほかのノンフィクション作品も読みたいです。
現在、佐々涼子さんは脳腫瘍で闘病中とのことです。(ご本人Xより)回復をお祈りします。


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