『殺人ライセンス』今野敏(著)ネット社会の便利さと怖さ

日本文学

今野敏さんの【隠蔽捜査シリーズ】が好きなので、ほかの作品も読んでみたいと思いこちらを選びました。タイトルが怖いですね。

『殺人ライセンス』
著者: 今野敏 /出版社:KADOKAWA

今野敏さんはたくさんの人気シリーズがありますが、こちらはノンシリーズです。

◎作品紹介

高校生キュウがプレイしたオンラインゲーム「殺人ライセンス」。それは薄気味が悪く、後味の悪いゲームでした。
後日ニュースを見ていると、そのゲームにそっくりな事件が起こったことを知りました。
キュウはそれをクラスメイトたちに話します。そしてクラスメイトの女の子相沢麻里の父親で、探偵を始めようとしている相沢に相談し、事件解明に向けて調査を始めます。
探偵をすることに反対している家族は、それを遠くから見ていますが・・・

◎著者の今野敏さんについて

1955年北海道生まれ。
名前の読みは、こんのびんさんです。
武道家でもあり、空手道今野塾を主宰されているそうです。

1978年『怪物が街にやってくる』で第4回問題小説新人賞を受賞しデビュー
2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞受賞。
2008年『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞受賞、第61回日本推理作家協会賞受賞。
2017年『隠蔽捜査』シリーズで第2回吉川英治文庫賞受賞。

出版のペースがとても早く、次々に新作が発売されています。

◎感想

この物語の初版は2002年なので、インターネットが少しずつ広がっていったころでしょうか?
その頃の私はパソコンは持っていなかったはずです。携帯電話は持っていたと思いますが。
そんな時代にサイバー犯罪の推理小説を書いている今野敏さんには驚きです。

リストラされ無職の主人公相沢ですが、探偵になりたいと本気で考えています。家族にどう話すか悩んでいる相沢ですが、私が家族だったらどう反応するのかと考えてみましたが、まったく想像できなくて、ただ驚くだろうとは思います。
探偵ってミステリー小説にはよく出てきますが、実際は目立ってはいけないのだろうし、どのくらい需要があるのかなど全く未知の世界です。
ただ危険な仕事な気がします。
準備として民間資格を取った相沢。実際似たような民間資格があるようです。
特別な資格がなくてもできるようですが、自動車の運転、撮影技術、法律の知識、そして体力など、幅広い知識や技能も持っていないとできない仕事ですね。

相沢はまずパソコンを購入します。このチャレンジ精神はいいですね。
結局難しすぎて大変なことになるのですが、ここでもあきらめず、キュウに教えてもらいながら、どんどん新しいことを覚えていきます。

ここで起きた事件はネット犯罪なのですが、現代ではもっと技術力もあがっていて、複雑そうです。

何が起きてもあきらめず、まわりの意見も積極的に取り入れ、果敢にチャレンジしていく姿勢は探偵にぴったりなのでは?と感じました。

「信じている人がたくさんいればそれは一種の真実になっていくんじゃない?」

『殺人ライセンス』より

仮想世界で行われていることの違和感はぬぐえない。また、この違和感を失ったときは、危険だと相沢は感じた。

『殺人ライセンス』より

ネットの世界の怖さをあらためて考えることができる作品だと思います。
あたりまえになっている日常を少し遠くから見ることが必要だと感じました。

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◎まとめ

今野敏さんは人気シリーズがたくさんありますが、こちらの作品のようにシリーズ化されていないものも読み応えがあります。
ミステリー小説好きな方におすすめです。
【隠蔽捜査シリーズ】まだ全部は読めていませんが、こちらのシリーズもおもしろいのでおすすめです。

今回はamazonのKindle Unlimitedで読みました。(2022.10.5現在)

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