『火車』宮部みゆき(著)誰にもおこりうる暗闇

日本文学

宮部みゆきさんはたくさんの作品があり、まだまだ読みたい本がたくさんあります。その中から約30年前に刊行されたこちらの作品を選びました。新潮文庫の100冊にも選ばれています。

『火車』
著者: 宮部みゆき /出版社:新潮社

第6回山本周五郎賞受賞
第108回直木賞候補

◎作品紹介(簡単なあらすじ)

休職中の刑事本間の元に、あまり付き合いのない親戚から人を探してほしいとの依頼がきます。
単なる人探しと思っていましたが、捜索を続けていくにつれ事件性のある可能性が出てきました。
探している人物は本物なのか?生きているのか?手探りしながらの長い捜索が始まります。
途中依頼人からもう探さなくてもよいと言われながらも、周りの人々に支えられながら一人で捜索を続けていきます。
真相は見つかるのでしょうか?

こちらの文庫カバー装画は藤田新策さんです。
なんと1,000冊以上小説の装画を手掛けていて、宮部みゆきさんの作品も多く『英雄の書』『模倣犯』などがあります。
最新ですと、有栖川有栖さんの『日本扇の謎 愛蔵版で美しい装画を見ることができます。

◎著者の宮部みゆきさんについて

1960年 東京都出身。
1987年『我らが隣人の犯罪』でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。
1998年『理由』で 第120回直木賞受賞。

様々な文学賞の候補や受賞歴があり、選考委員としても活躍されています。
ミステリー、時代小説、ファンタジーなど異なるジャンルにまたがり、多数の作品があります。

◎感想

生きていくためになら何でも出来てしまう人間の強さや残酷さ、現代社会にあるたくさんの甘い罠の恐ろしさを感じました。

他人のすることが、なんでもかんでも気に入らないっていう人が、世の中にはいるんだよ

『火車』より

なんでもかんでも気に入らない人たちは、なぜそういう思いになるのかもわかっていないのかもしれません。人の邪魔を一生懸命する人もいます。
理由があってそれは誰かにとっては正しいのかもしれませんが、やはり人を傷つけてよい理由にはならないでしょう。
他人の思いは誰にもわかりません。

やっと探し当てた。そう思った。やっとたどりついた。

『火車』より

本間のこの言葉には、長い捜索への思いがこもっています。でもここからスタートなのだとも感じられました。

失踪事件を追いながら、もう何を探しているのか何が正しいのかわからなくなりながらも、最後まで目が離せず満足の一冊でした。

◎まとめ

宮部みゆきさんの作品は最後まで目が離せない展開で、いつも夢中で読んでしまいます。
読んでいない作品がたくさんありますので、これから読むのが楽しみです。
次は直木賞受賞作の理由を読んでみたいです。

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