表紙とタイトルの犬の文字に惹かれて選びました。ミステリー小説に犬がどう絡んでくるのか気になります。初めて読む作家さんです。
『犬を盗む』
著者: 佐藤青南 /出版社:実業之日本社
◎作品紹介(簡単なあらすじ)
犬目線で始まるプロローグ。何が起こっているのか…
ある日、高級住宅街に住む一人暮らしの老女が殺害されるという事件が起こる。
その現場には犬の痕跡があるが、犬はいない。
被害者、捜査の担当刑事、近所の作家、コンビニ店員、近所の愛犬家たち、犬を愛するたくさんの人々が事件解決に向けてからまりあう。
誰もが秘密を持っていて、それを隠すことによって、容疑者が絞り込めない。
老女はなぜ殺されたのか…
犬の行方は?
◎著者の佐藤青南さんについて
1975年長崎県生まれ。
以前はミュージシャンとして活動されていたそうです。
2010年『ある少女にまつわる殺人の告白』で、第9回このミステリーがすごい!大賞の優秀賞を受賞しデビュー。
2016年『白バイガール』で、第2回神奈川本大賞を受賞。こちらは【白バイガールシリーズ】として現在6冊刊行されています。
◎感想

犯人は誰なのか、なぜ殺人現場から犬がいなくなったのか謎だらけでした。
まず犬はもう飼ってないと思われていた被害者ですが、実は今まで犬がいたようだ、と突き止めるまでの捜査がすばらしかったです。ひとつひとつ証拠を見つけていく地道な作業を繰り返し、これがなければ事件は解決しなかったでしょう。
被害者のまわりの人々が容疑者として浮かんできますが、証拠もなく決定打が見つからない刑事たちと同じ思いで読み進めました。
コンビニ店員の松本は何か秘密を抱えている様子ですが、犬への愛情は本物に見えます。
愛犬家の作家の真希は、いったい何がしたかったのか最後まで理解ができませんでした。しかしSNSの怖さ、人間の怖さを知ることができました。
犬の散歩を通して知り合いや友人が増えて楽しそうですが、やはり噂話やグループ内の序列など、面倒なこともありそうです。ただただ犬のためだけに散歩したり遊ばせたりってできないものでしょうか?事件も気になりますが、こうした捜査で人間性が見えてくるところがミステリー小説のおもしろさなのかもしれません。
普段穏やかだからといって、ずっとそうだとは限らない。
第5章『犬を救う』より
後半に入ってだんだんと登場人物たちが繋がっていき、でも最後まで犯人の姿は見えてきませんでした。そして最後の最後に驚きの結末で楽しめました。
そしてタイトルに犬とついているので、犬を可愛がっている人たちがたくさん出てきます。やっぱり犬っていいなと再確認できました。
一章ごとに犬目線の語りから始まるところがすごく好きです。
◎まとめ
ミステリー小説の好きな方、犬が好きな方におすすめです。
犬好きな方には楽しめる1冊ではないでしょうか。
佐藤青南さん、ほかの作品はどのような感じなのか気になります!


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