『ゴリラ裁判の日』須藤古都離(著)ゴリラなのか、人間なのか

日本文学

おもしろいとどこかで聞いたので図書館で予約しました。
勝手にファンタジーな内容を予想していましたが…
ゴリラが裁判?!

『ゴリラ裁判の日』
著者: 須藤古都離 /出版社:講談社

第64回メフィスト賞受賞

◎作品紹介(簡単なあらすじ)

主人公はローランドゴリラのメス、ローズ。
ローズは人間に近い知能を持ち、言葉を理解し、手話を使って人間と会話ができます。

カメルーンの厳しい自然の中で、強くもつらいゴリラの掟にしたがい生きていくローズ。
あるきっかけから、ローズはアメリカの動物園で暮らすようになりました。
そこでで出会ったゴリラと夫婦になり、幸せな日々が続くはずだった・・・

しかし人間の子どもを助けるためという理由で、夫であったゴリラが銃で殺されてしまうという哀しい事件がおきます。
どうしても許せない思いが消えないローズは、夫のために人間を相手に裁判を起こしますが・・・

人間とゴリラの命の重さに違いはあるのでしょうか?

◎著者の須藤古都離さんについて

1987年神奈川県生まれ。

2022年、本作品『ゴリラ裁判の日』で第64回メフィスト賞受賞しデビュー。

◎感想

タイトルと表紙からファンタジーな話を想像していたら、全く違っていました。

手話を覚えているゴリラのローズ。実際覚えることができるのでしょうか。
気になって調べてみたら、ココという名の手話のできるローランドゴリラがいたそうです。(オリジナルのゴリラ手話と呼ばれるものだったそうです)

コミュニケーションがとれても、遊んでいるつもりでも力の強いゴリラは悪気なく相手を傷つけてしまうこともあるでしょう。
この物語のようにゴリラと人間が一緒にいたら、自分も危険と感じてしまうと思います。
話が進むにつれ、何が正しいのかわからなくなってきました。

命の重さ、人権、何が正義なのかなど考えさせられました。
正解はどこにあるのでしょう。

ローズの賢さと素直な心が痛々しくもあり、頼もしくもありました。

ジャングルでは恐ろしいものは敵だ。だが、人間の世界では恐ろしいのは敵だけではない。

『ゴリラ裁判の日』より

人間の社会を生きたこのローズの思いに胸が痛いです。

人間の友達リリーとの関係がとても素敵でした。
リリーのような人間もたくさんいるはずですよね。

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◎まとめ

動物の好きな方、社会派小説の好きな方におすすめです。

2023年夏に次作が発売予定とのことです。
今回とても読み応えがあり、次はどんなお話を書かれるのか、とても楽しみです。

以前にまとめた、こちら↓のゴリラの絵本のページもよかったら見てください!!

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